今年は、男子高校生や新卒者など、ヤングな男子の新顔が多く参加しました。
今日は、そんなヤング男子の思い出。
運行初日のことでした。
熟練者が運行前の準備をしていた時、
何をしていいかわからず右往左往なヤング男子たち。
熟練者たちも手一杯で細かい指示を出せずにいました。
そんなタイミングで、棟梁のそばで手伝いをしていたのが、
参加し始めて三年目、高校三年生の「カケル」でした。
棟梁は手を動かしながら、こんな話をしました。
「いいか。まずは熟練者がどんな作業をしているかをよく見るんだ。」
「おしゃべりはいつだってできる。しかし、作業を見るのは今しか無い。」
「お前らが作業を覚えてくれれば、もう少しうちらが楽できるさね。。。」
「はい!」とうなずくカケル。
そして、翌日の運行終わりの、ねぷた小屋への格納作業をしていた時でした。
不意に、怒号が聞こえました。
何かしらと思い本ねぷたの傍に行くと、
カケルが本ねぷたの台座の上にいます。
普段は舞台で仕事をしている「新さん」が怒っています。
「お前は作業内容がわかっていて、そこに登ったのか!」
ドギマギしているカケル。
駆け寄る棟梁。
「そういえば、昨日こんな話をしたのさ、、、」
「なるほど。。。」ニヤリと新さん。
その時から、新さんが作業する傍らには必ずカケルが。
それにつられるように、新顔の高校生たちが「一歩、前に」出て作業を手伝うようになりました。
おかげで手が空いた棟梁は、全体の指示出しをしながら、
おしゃべりをして作業を手伝わない他の高校生たちに一言釘を刺しに回る。
こうして、現場に一体感が生まれました。
ねぷたの現場にいると、
なかなか高校生たちが団体に定着しない現状を目の当たりにすることがよくあります。
彼らは、就職や進学といった大きなライフステージの変化を控えていることが多く、そ
れを機に県外に出てしまう事も多いです。
そもそも、様々なことに興味関心をもつ時期でしょう。
友達と仲良くワイワイやりたい時期でもあり、
参加するねぷた団体をコロコロ変えたりもします。
そんな高校生たちにどのように帰属意識をもってもらうか?
これが課題です。
Hissatsuねぷた人では、どんなタイミングでも、
作業に手をかけてもらうようにしています。
この手法が、現代の高校生の世代にどのように響くかは未知数です。
ヤングマンたちのこれからの活躍に期待です(^。^)y-.。o○