写真は、2007年の人形の前ねぷたです。
この年も、地震が多く発生した年でした。
なまずを踏みしめ、地震を鎮めようと笛を吹く男を制作しました。
さて、このねぷたを作るときに考えたことを全て挙げてみましょう。
まずは、台座。従来の4面体ではなく、8面体です。
当時、「八角ねぷた」として物議を呼びました。
「何か新しい様式美は無いものか?」という思案の結果、生み出されたデザインです。
人形の構図は「立ち姿」
特に、五所川原の様式を真似たというわけではありません。
立像スタイルの人形ねぷたは、明治から大正の頃に津軽地方一円で流行した構図です。
なので、経験として「立ち姿」の構図を取り入れてみたのでした。
なぜ、「笛を吹く男」なのか?
これは、うちの団体で笛吹きがあまり多くないという現状から発想しました。
笛を吹く人形ねぷたを、お囃子の太鼓の後ろに配置して運行することで、賑やかにしようと考えました。
なぜ、上着に「龍」を描いたのか?
このねぷたに限らずですが、「龍」は「エネルギー」の象徴として表現することが多いです。
ねぷたに込めたメッセージつまり「思い」を、強くしたいのです。
これ以外にも、細かいところをなんやかんや考えて作っています。
幼少時からねぷた小屋を、居場所にして育ってきた中で感じたこと。
伝統的とかクラシックとか一般的とか普通とかの概念を、つまり歴史を知った上で、
革新的とかモダンとか一風変わったものとか独特といった要素を取りいれていく。
これが、ねぷたを作る上での「Hissatsuらしさ」であると考えています。