2015の思い出ー写真集ー10ー暫の顔面

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2015年の本ねぷたのモチーフの歌舞伎十八番 暫です。

今回は面の骨組に趣向を凝らしました。

ここ数年、歌舞伎の題材をよく制作しているのですが、

いつも、頭を抱えるのが「墨入れ」なんです。

<<ちなみに今回の話はかなりクドクて細かい話です。。。>>

 

なぜならば、歌舞伎の化粧方法においても、黒の描写を用いているからです。

歌舞伎といえば、赤や青の線を引く隈取が有名ですが、

目の輪郭や口元、小鼻に黒の描写が入ります。

という事は、人形ねぷたで制作した際に、自由に墨を入れられない(ーー;)

自由に墨を入れると、歌舞伎の面の化粧方法とかけ離れてしまうからです。

というわけで、歌舞伎の化粧方法と同じ個所に墨を入れています。

 

しかしながら、人形ねぷたは発光体!!!

墨が少ないと、顔の凹凸を表現するのが困難になるわけです。

今回は、暫の隈取なので、赤の線は入れられる。

この赤の存在感を最大限に際立たせるには・・・

と、悩んだ末の結論が今回の面です。

 

針金の骨組を極限まで減らしたのです。

でもって、骨組が隈取の赤の線の流れに沿うように組みました。

つまり、骨組の影と隈取の赤が一致しているわけです。

つまりつまり、骨組の陰影を極力見えないようにしたわけです。

光を遮断する墨の黒=発光体における明暗のコントラストの最も暗い部分

これを多用できない状況下で、隈取の赤を最大限に目立たせる。

これをクリアする方策として、

これまで取り組んできた針金を流線形にねじれを加えながら、

組み上げていく「流線組み」を応用しながら、

陰影を極力減らすため、用いる針金を最小限にする。

これにチャレンジしてみたわけです。

 

紙貼りには苦労をかけましたが、

なんとかねらい通り作れたかなと自負してます。

しかし、隈取の赤の線がもう少し太い方が良いかなと思ってたりしました。

このねぷたは、12月の浅草ねぷたにも登場するので、

それに合わせて、もう一筆、手を加えたいと思っています(^。^)y-.。o○

 

 

 

 

 

 

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中川俊一 執筆コラム

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