3Dプリンターで人形ねぷたは作れるか?

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英オックスフォード大学マイケル・A・オズボーン准教授らの研究によれば、

今後10年~20年で多くの職業・仕事が消滅するという。

人工知能やロボットに仕事を奪われる。

そんな未来がもうすぐそこにホントに来ている。

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そんな無くなってしまう確立90%以上の職業の一つに、

「彫刻師」があった。

これがどんな職業を指すのかは不明だが、

ふと気になった。

 

最近、よく聞く「3Dプリンター」の潜在的な可能性が、

立体造形を作る職人にとって変わるという事が起こり得るのだろうか?

 

立体的な造形のを作りだすことは可能だろう。

しかし、その表面の質感を作り出すことはどうだろう?

 

表面の描写をも実行できる3Dプリンターの登場があるのかもしれない。

となると、特殊な表面、例えば動物の体毛のようなもの以外は、作れてしまうのかもしれない。

人間の頭部以外の、つまり毛のない肌感はむしろ作りやすいのかもしれない

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さて、本題

3Dプリンターに人形ねぷたを作ることはできるのだろうか?

言うまでもなく、ねぷたは「発光体」である。

この点が、他の立体造形との大きな違いである。

 

しかし、「だから、3Dプリンターには無理!」と言い切れるだろうか?

 

発光体であるためには、内部の空間が必要である。

(素材表面自体が発光する技術が確立すれば別だが、、、)

そのためには、中身が空洞な、つまり立体造形の表面のみを作り出さなくてはならない。

 

これは3Dプリンターの開発が進めば、おそらく可能になってしまうだろう。

(もしかしたら、もはや可能かもしれない。)

現在のねぷたの表面素材である「和紙」の特性・質感を、

3Dプリンターの材料で再現できれば、発光体であることもクリアできてしまう。

つまり、人形ねぷた制作の作業工程のうち、

骨組みと紙貼りの作業が消滅してしまう。

いや、立体造形の表面描写をもできてしまう3Dプリンターが開発されれば、

のこる工程は、内部照明の設置と組立てだけになってしまう。

 

現代の「人形ねぷた組師」という職能は、

パソコンを駆使して、3Dのデジタルデータを設計する職能にとって変わられるのだろうか?

 

「そんなはずはない!」と直情的に思いたいところだが、

その根拠を、、、一つずつ考えてみよう。

 

ねぷたではない、つまり灯籠ではない、つまりつまり発光しない立体造形を、

3Dプリンターで制作することは、もはや可能である。

(作るのにいくら\\\かかるか、それが従来の方法とどちらが安いかは別にしておく。)

さしあたって、「可能かどうか」にしぼって考えてみる。

 

さあ、ねぷたの特性を3Dプリンターで再現できるのだろうか???

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ねぷた特性①巨大なサイズ

ねぷたの人形の身長は、5mとか10mと非常に巨大だ。

こんな巨大なサイズを作ることが可能だろうか?

可能でしょう。小さいものを作るより楽かもしれない。

要は、3Dプリンターで用いる樹脂の強度を上げればよいわけで、

しかも、内部空間を有するように作るなら、

内部に補強の角材を仕込めば、なんとでもなる。

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ねぷた特性②デフォルメ

ねぷたは、非常にデフォルメを強く施す立体造形である。

頭部を大きく、衣服のはためきを派手に、などなど

これを再現できるだろうか?

これも簡単、そういうデータを設計すればいい。

実在するねぷたを3Dスキャンして、数値化すれば、

どんなデフォルメを、どこに施しているかが「数字」になってしまう。

つまり、人形ねぷたを作る技術者の感性・個性の部分すら、数値化されてしまう。

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ねぷた特性③コミュニティ形成

ねぷたを作る作業を共有することでつながっていく人と人の絆。

何でも相談できる信頼し合えるーそんな仲間は人生において極めて大切だ。

こればっかりは、3Dプリンターにマネできることではないだろう(^。^)y-.。o○

 

いや、しかしながら、、、、、

もしも、近未来の人々が、何でも面と向かって相談できるような人間関係を望まなければ、、、

もっと、希薄でしがらみのない、つまり、責任や義務の発生しない人間関係を望むのなら、、、

 

ふむ、これは困ってしまう。

ねぷたを手作り=ハンドメイドする意義が何も残らない。

つまり、「3Dプリンターで作っても一向にかまわないよ」となってしまう。

 

技術革新が進むことはこの世の摂理とはいえ、、、これはなんだか切ないですな。

さて、何年後にこんな未来が来るのだろう?

いや、例え極めて少数派となろうとも、Hissatsuねぷた人は「手作り」を貫きたい(^。^)y-.。o○

 

 

 

 

 

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中川俊一 執筆コラム

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