前回は、ねぷたの特性から、3Dプリンターで人形ねぷたが作れるかを考えてみました。
発光体、巨大なサイズ、デフォルメと考えてみましたが、
「作れちゃう」と思われました。。。。。
しかし、現段階で3Dプリンターに再現不可能と思われる点を発見しました。
それは、「塗膜の厚さと色むらの関係」です。
どういう事かといいますと、
3Dプリンターで立体を形成するとして、
発光体とするためには、内部に照明を設置しなければなりません。
だから、内部に空間が必要です。
そこで、針金の骨組みと表面の和紙、さらに内部に強度のための木枠ごと、3Dプリンターで再現したとしましょう。
問題は、表面素材の和紙がどのように再現されるか。
現状で、ねぷたの表面に用いられている和紙は、水分をつまりは色の溶液を吸収するという特性を有します。
この「吸収」というのがカギです。
和紙の内部構造には、多くの隙間=空間が存在します。
ここに、水分が吸収されるわけです。
そして、色むらが起きることなく、なおかつ光を透過させることができるのです。
物体の表面に、色の溶液が吸収されない場合、その表面の上に色が乗っかることになります。
このとき、一定の塗膜の厚さが無いと、色むらが生じます。
それゆえ、このような物体への塗装は二度塗りしたりして塗膜を厚くします。
繰り返しますが、色むらが生じないようにするには、ある程度の塗膜の厚さが必要なんです。
つまり、塗膜を光が透過するくらいに薄く均一に塗るというのは至難の技なんです。
そう、ここが難題です。
塗膜を厚くすると内部の光を透過しなくなります。
つまり、発光体ではなくなってしまうのです。
ねぷたの表面に用いる和紙は非常に優れた素材です。
色の溶液を吸収して、和紙の厚さがある意味で塗膜になります。
つまり、非常に薄く均一な厚さの疑似塗膜を、色むらを起こすことなく形成できる。
これがねぷたにおける和紙の特性です。
前回、3Dプリンターで和紙の質感・特性を再現できれば、、、と、
想定して、論を進めましたが、が、が、
「内部に隙間をもつ=色の溶液を吸収できる」
という特性を3Dプリンター再現できたとしても、
それを、光が透過できる薄さでなおかつ均一に、
しかも、強度を保って再現することができないのではないかと推測されます。
つまり、骨組を3Dプリンターで作ることはできても、
表面の和紙の特性を、忠実に再現することはできないと思われます。
つまり、3Dプリンターに再現できるのは、
骨組と内部の補強部材に限られる。
と推測されます(‘◇’)ゞ
人形ねぷたをみんなで作る楽しさ・喜びを、
3Dプリンターに奪われなくて一安心です(^。^)y-.。o○