涙の理由。

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十八で棟梁になった。

最初は無我夢中。

いいねぷたを作るんだ!って必死だった。

二十五で東京から弘前に帰った。

自分の「作り物の仕事」と「ねぷた団体」を天秤にかけた。

「ねぷた団体」を選んだ。

でも、「都落ち」という気持ちがどこかにあった。

弘前に帰る僕を見送った女性が、嫁になった。

そのころに作ったねぷたが、自分で初めて満足できる出来だった。

その時、思った。

「いいねぷた」を作ることが出来れば、「世界」に挑戦できるかもしれないと。

一つも道は見えていなかった。

でも、「世界」という言葉が目標になった。

そして、無責任にも、その夢に皆を巻き込んだ。

三十を過ぎても、道は一つも見えなかった。

でも、夢は変えないと自分に言い聞かせた。皆を巻き込み続けた。

いつも、不安だった。

三十三で浅草のねぷたを作るステージを頂いた。

少しだけ、道が見えた。

そして、その道が一年ごとに伸びていった。

三十六になった。4年目の浅草ねぷたを遂行した。

今なら言える。

この道が、必ず「世界」に通じている。

そして、その道を共に歩む「仲間」が、今ここにいる。

そう思った瞬間、棟梁になってからの十八年間が一気に思い出された。

初めて本ねぷたを作ったときの興奮。

子どもたちの喜ぶ顔。

先達の優しい笑み。

仲間との別れ。

一人ぼっちのねぷた小屋で、さみしかった長い長い夜。

不安で不安で眠れなかった夜。

そして、共に夢をみてくれる仲間の温もり。

そんな十八年を一気に思い出したら、涙が止まらなくなりました。

あの苦しかった時に、あきらめなくて本当に良かった。

辛かった時に支えてくれた仲間が帰ってくる場所を守り続けられた。

そして、「世界」への道を共にする仲間たちがここにいる。

みんな、ありがとう。本当にありがとう。

そして、これからもよろしく頼む。

この「奇跡」に、付き合ってもらうぜぃ(*^-^*)

 

 

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中川俊一 執筆コラム

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