中国・台湾では、人形燈籠を「花燈」(Hua deng)と呼びます。
1枚目の横写真が、中国上海の様子。
2枚目の縦写真が、台湾の様子。
ねぷたは、夏の行事ですが、
こちらは旧暦1月15日の元宵節という行事で、「花燈」を作って飾ります。
ねぷたは、街中を練り歩く「運行」というスタイルですが、
こちらでは、運行はあまり行われず、「展示」のスタイルです。
弘前の運動公園全体くらいの広さの会場に、ところ狭しと花燈が展示されます。
(東京ドームなら5個分くらいかな?)
題材について
ねぷたは「勇ましい」題材が多いですね。
三国志、水滸伝、戦国武将、おとぎ話(桃太郎とか)、神様(不動明王など)、歌舞伎、
最近は、任意の誰かを現代的なメッセージ性をもたせて作る題材もありますね。
うちの団体は、武器が苦手なんで、神様、歌舞伎、任意の誰かが多いですね。
花燈の題材は、
一言でくくれば「縁起物」がほとんどです。
去年の作品を列挙すると、
クジャク、鹿、歴史物語、ロボット、西洋風の騎士、ピエロ、などです。
会場の門も、ゲート状の花燈になっています。
花とか蝶とかパイナップルとかがデザインされています。
けっこうアニメっぽい作品も多いです。
昔は、弘前でも各団体の前灯籠でアニメキャラがいっぱい作られてましたね。
現在では、著作権の問題で作るのは難しくなっています。
昔といえば、昔々の江戸時代の頃の、ねぷたの題材って知ってます?
まさか「勇ましい」が昔々からの伝統だなんて勘違いはしてないですよね。
江戸時代までは、ねぷたも「縁起物」が主流でした。
「勇ましい」は明治の頃からの流行です。
まあ、「勇ましい」も100年以上続いているので、「伝統」と言えなくはないですが>^_^<
でも、「縁起物」が主流だったという点は、ぜひ覚えておいてほしいです。
津軽のねぷたと中国・台湾の花燈の題材を比べてみて、私が思うこと。
中国・台湾の方が、題材の幅が広いなと感じます。
伝統的な題材もあるし、モダンな題材もあるし、なんでも作っちゃうという感じがあります。
モダンの領域が広い感じは、少しうらやましいです(●^o^●)
2―骨組みについてにつづく(上の中国・台湾「花燈」の旅のタグから行けます。)
本稿は、日本学術振興会科学研究費助成事業である「日本および東アジアの人形燈籠(lantern)制作技法の比較分析」(研究課題番号25770055)の研究成果の一環を報告したものである。