ねぷた団体間レンタル移籍のすすめ

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レンタル移籍ってなんじゃい?って思いますよね。

ここ数年、うちの団体では、他のねぷた団体に参加している若い子が遊びに来ることがあります。

友だちがうちの団体に所属していて、人形ねぷたの制作のため、ねぷた小屋に来るときに、不意に連れてくるのです。

「自分とこのねぷた団体に行かなくていいのか?」と尋ねると、

「囃子の練習は午後7時からだから、それまでなら大丈夫。」と答えます。

ふと考えてみると、人形ねぷたの制作は長期間に渡るし、

早い時間でも、誰かが小屋にいれば制作作業を進めます。

そして、ねぷた小屋にいる人間には必ず、

「ちょっと手伝ってみる?」と声をかけます。

最初は、他のねぷた団体の貴重なホープかもしれない若い子に手伝わせるのはいかがなもんかな?と思いました。

でも、うちのねぷた小屋で人形ねぷた制作に関わったことがあれば、

彼が大人になって自分のねぷた団体で、主力になった時に、人形ねぷたを作ってみようかなという選択肢も生まれたりするのかなと考えました。

そこで、自分のねぷた団体の人に、「必殺のねぷた小屋に遊びに行ってきたよ。」とちゃんと伝えてね。とお願いしてから手伝ってもらうことにしています。

彼らのリアクションはこんな感じです。

「人形ねぷたってこうやって作るんだぁ」

「紙貼りおもしれぇ」

「小さいのならうちの団体でも作れないかなぁ」

彼らのそんな声を聴いていて、これはいいことだ!と思ったのです。

短時間・短期間のねぷた団体間レンタル移籍ってアリだなと思ったのです。

弘前ねぷたまつりには、80を超える団体が参加しています。

それぞれの団体には、当然ながらそれぞれの個性があるでしょう。

作っているねぷたが、扇ねぷたなのか人形ねぷたなのか、

制作に力を入れているか、お囃子に力を入れているか、

どのような技術者がいて、どのような技術者がいないのか、

その団体ならではの得意分野があって、苦手分野があったりすると思うのです。

うちの団体は、人形ねぷた2台と扇ねぷた1台と前灯籠1台を制作しています。

制作が得意だし、時間も多くかけています。

制作に関わる技術者を取り揃えていますが、

電気担当の層が若干薄く、弘前在住の鉄工の技術者がいないことが弱点です。

それから、制作に時間をかけるあまり、お囃子の練習時間が不足しがちです。

うちの団体が、レンタル移籍を受け入れられるのは、

制作のなかでも特に人形ねぷたに関わる分野です。

また、制作量とこれまでの42年の経験値から、

みんなでねぷたを作り上げるというシステム、特に子どもたちの制作参加システムには自信があります。

制作を経験して技術を学んでもらうかわりに、うちの団体の制作作業を手伝ってもらえれば十分です。

ねぷた団体間の交流や情報共有にもなると思います。

なんだか、若い子限定の話みたいに聞こえるかもしれませんが、そんなこともありません。

昨年のことでした。

某ねぷた団体の首脳陣の方々がビールを持って、十数人うちのねぷた小屋を来訪したことがありました。

前ねぷたで巨大な金魚ねぷたを作りたいからイロイロ教えてほしいとのことでした。

その団体の方々の制作に対する情熱を大いに感じて、我々も大いに刺激になりました。

それぞれのねぷた団体が、技術や分野を通して、一層の交流ができれば、

情報共有の機会も増えると思います。

これも、安全対策の一手ではないかと思うのです。

 

 

 

 

 

 

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中川俊一 執筆コラム

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