第6回 「骨組みその3」―流線の美しさ―

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 今回は、まず、人形ねぷたの骨組みに用いる針金の小技を紹介しようと思う。

 前にも話したけれど、針金は、一般的に六十cmほどのコイル状に巻かれた状態で売られている。これよりも小さな円を作るには、切り出した針金を身の回りにある筒状の何かに巻きつけていけば、簡単にしかも一度に大量に作ることができる。

 では、コイル状の針金を直線状に伸ばすには、どうすればよいか。地道にペンチで針金を押さえ、直線にすることもできるけれども、時間がかかるし、扱いに慣れていないと難しい。これを簡単にしかも短時間で針金を直線にする方法がある。必要なものは、コードが付いているタイプの、回転トルクの強い電動ドリルと先端がフック型になったドリルビットである。手順は、まず切り出した針金の一端を柱などの動かないものに巻きつけ固定する。そしてもう一端を手に持ち、針金の長さの分、柱から離れてその端を電動ドリルの先端に固定する。そのままドリルごと針金を引っ張りながら、十秒ほどドリルを回転させる。すると、針金が完全な直線になるのだ。この直線を3~4mの長さで作ると、弾力で針金がしなるので、人形ねぷたの直線的な部分や、ゆるい曲線のところを組むのに非常に便利な、竹材の代用品にもなるのだ。ただし回転トルクの低い、コードレスタイプの電動ドリルを用いると、モーターが焼けついて壊れてしまうので気をつけてほしい。

 さて、三回にわたり骨組みの技法を紹介してきたけれども、最後に、私が骨組みを組む際に、最も意識していることを話したいと思う。それは、針金や竹の「線の流れの美しさ」である。人形ねぷたで組まれる骨組みは、完成後も中から光があたるため、表面に影となって映り、決して隠すことができない。それゆえ、顔の表情や、筋肉の張り、衣服のはためき、などなど、それぞれの部分の「流れ」に沿うように骨組みを組むことを、私は常に心がけている。私は、この「線の流れ」を、全体の構図や形状の流れと同調させることができたとき、「美しさ」を感じるのだ。

 次回は、内部照明の設置について述べたいと思う。

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中川俊一 執筆コラム

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