第4回 「骨組み」―線から立体へ―

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今回は、骨組みについて解説していこうと思う。骨組みとは、人形ねぷた制作の、一番最初の作業で、針金や竹を用いて人形の骨格を組み立てる作業のことだ。人形ねぷたを知っている人ならば、針金や竹を材料にしていることを、別に、気にもとめないけれども、立体造形を作る材料としては、とても珍しい。何が珍しいのか。それは身の回りの立体の造形物が何で作られているか考えてみるとわかる。

例えば、木彫りの彫刻の材料は木材が材料だし、粘土細工なら、当然粘土が材料だ。これらの一般的な造形材料に共通しているのは、材料の時点から、「立体」だということだ。立体のかたまりを削ったり、くっつけたりして、形ができていく。つまり「立体」から「立体」を作っているわけだ。一方、人形ねぷたの材料の針金や竹は、立体ではない。「線」である。「線」で「立体」を作っているのだ。

では、どのように形が作られるのかを、球体を例に説明しよう。針金で球を作るには、まず3つのほぼ同じ大きさの輪を作る。その輪は、平らな所においてもがたつかない、つまり一平面状に、それぞれ作られなければならない。そして、その3つの平面的な輪を、お互いに直角に交わるように組み立てると、球が出来上がる。簡略にいえば、一本の針金で一つの平面を作り、それを3つ組み合わせることで、立体を作っているのだ。 これが、人形ねぷたの骨を組む「技」の基本となっている。「線」で「平面」を作り、「立体」を組み上げているのである。

この一本の針金で一つの平面を作ることが結構難しい。針金は通常コイル状に巻かれて売られている。これを切り出した時点では、針金はほぼ一平面状の大きな輪なのだけれども、そこから作りたい形に曲げたり伸ばしたりしているうちに、ゆがんだりねじれたりしてしまうのだ。そうならないように、針金を一平面状で変形させられることが、骨組みを組む人間に必要となる、最初の技術なのだ。

次回も、骨組みについて、さらに詳しく解説していこう。

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中川俊一 執筆コラム

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