我が団体では、2015年度の弘前ねぷたまつりに向けて、
安全対策の再確認を行っています。
ここでは、その前提となる決定事項を記載します。
①昇降・回転装置について
機械動力による昇降・回転装置は絶対に用いません。
これは、我が団体を創設した初代の頃からの約束事です。
ねぷたの「美しさ」を、どのように捉えるかは人それぞれだと思います。
しかし、我が団体では、ねぷたの「大きさ」で「美しさ」を表現することはありません。
ねぷたを美術の範疇の立体造形と考え、知恵と技を結集して「美しさ」を捉えたいと考えています。
ねぷた格納時や障害物回避の際、部分的に高さや幅を縮小する必要がある場合は、
さしまたを中心に手動での「からくり」を考案してこれを成します。
②飲酒について
この度、安全対策小委員会による安全指針案が示されました。
我が団体では、この指針を遵守し、
運行責任者、副運行責任者、先導、かじ棒(全ての灯籠と台車)、交通誘導員、運行整理員、さしまた、
上記の全ての人員が、
小屋を出発するときから、小屋に格納するまで、
飲酒をしません。
市民の方々、報道関係の方々の「目」をしっかりと意識し、
弘前ねぷたまつりと皆様の信頼関係の回復に努めたいと考えています。
③合同運行参加団体数の制限について
安全対策小委員会による安全指針案では、
合同運行の参加団体数制限を検討することが記されています。
わが団体では、創設42年のねぷた団体として、
数少ない本ねぷたでの組ねぷた制作ねぷた団体として、
この制限について、建設的な意見を挙げたいと考えています。
合同運行については、他の地方でも様々な工夫が成されています。
また、歴史的な背景も考慮し、
新しい合同運行の形態について、単なる制限ではなく、創造的な意見を挙げたいと考えています。
④運行でのパフォーマンスについて
安全指針案では、運行の際のパフォーマンスにも言及されています。
「安全を第一とし、事故や怪我に結び付くことを行ってはならない。」と記されています。
我が団体では、これまで、「4台同時回転」と「お囃子スクエア」というパフォーマンスを行ってきました。
「4台同時回転」は、
前灯籠、組前ねぷた、扇前ねぷた、本ねぷたを4台同時に回転させるパフォーマンスです。
今後は、各ねぷたの距離、観客の方々との距離、歩道からの観客の方々の飛び出し、などに、
これまで以上に、十分に注意して行いたいと考えています。
また、回転の速度を、人が歩く程度のゆっくりとした速度で行い、事故・怪我防止に努めます。
「お囃子スクエア」は、
お囃子の太鼓の台車を中心に、4台のねぷた灯籠を四角形(スクエア)に配置して運行するものです。
主に駅前運行コースで行っていました。
今後は、観客の方々との距離、歩道からの観客の方々の飛び出し、運行速度、などに、
十分に注意して行いたいと考えています。
上記②でも記しましたが、飲酒の制限が明文化されたことで、
弘前ねぷたまつりは、新たな局面を迎えることになると、我々は想定しています。
これまで以上に、参加者の一人ひとりが、観客の目を意識して、運行を行うこととなります。
安全管理を徹底することで、市民の方々や観客の方々との信頼関係の回復に努めることになります。
それに加えて、
参加者自身も弘前ねぷたまつりに喜びを感じ、観客の方々にも楽しんで頂くことが必要です。
それはまるで、舞台芸術のごときパフォーマンスのようでもあります。
これまで以上に、安全対策を講じた上で、
「魅せる」努力を惜しまない所存です。
それが、新たな局面を迎える弘前ねぷたまつりに臨む、我々の決意です。
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■yahooニュース(2015年3月20日(金) 14時20分掲載)
(http://news.yahoo.co.jp/pickup/6153633)