ねぷた運行における子どもたちの安全確保のために②前ねぷた

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前回の前灯籠に引き続き、今日は扇ねぷた様式の前ねぷたの取組を紹介します。《前回から読む》

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前灯籠を卒業した子どもたちは写真の扇前ねぷたを担当します。(写真は待機場所での待機中)

 

さて、写真の前ねぷたのカジ棒ですが複雑に入り組んでいます。

簡単に言えば、内側に大人用の高さのあるカジ棒、その外側に子ども用の一段低いカジ棒と、

二重構造になっています。

 

運行中は、前のカジ棒のセンターに「守護神」と呼ばれるブレーキ役の大人が入り、

両サイドのカジ棒に、コントロール役の大人が一人づつ入ります。

アクセル役が子どもたちというわけです。

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車輪部分から遠い、外側に子ども用のカジ棒がついているので、

子どもが万が一転んでも、ブレーキ役の大人がねぷたを停止させます。

車輪も径の大きいものを使うと、億が一にもひかれてはいけないので、

直径150㎜ほどの「キャスター」を8個使用して、低床にしてあります。

 

設備面での取り組みと同時にメンタル面も考えています。

この年頃の子どもたちは、集中力が切れて「飽き」がくると、それが一番の危険因子となります。

そもそも、それを配慮して、子どもたち用の前ねぷたを運行隊列に加えているのです。

ねぷたを引くロープを取り付けて、子どもたちに引いてもらうという手段もあるのですが、「飽き」防止のため用いていません。

 

そして、究極のメンタル対策として行っているのが、

子どもたちによる前ねぷた制作です。

子どもたちは、自らで制作した前ねぷたを運行しているのです。

制作での取組は、前回も紹介しましたが、

台座部分の全ての絵の色付けを子どもたちが行っています。

それに加えて、この前ねぷたは子どもたちの一番上のお兄さん(去年は中学三年生)が、

鏡絵、見送り絵、袖絵ほか全ての絵を担当しています。

《参考記事》

いわゆる《ねぷたノリ》が生んだ奇跡

つまり、子どもたちの手による、子どもたちのためのねぷたというわけです。

 

この前ねぷたに関しても、安全対策の再議論をしています。

キャスター使用での低床に加えて、そこにガードを取り付ける予定です。

また、引き手の子どもたちに配慮して、軽量化しているんですが、

これがどうも「余計なお世話」らしく、

子どもたちのパワーですぐに加速してしまうのです。

何かしら急加速しない仕掛けを検討中です。

 

この前ねぷたを卒業すると、子どもたちは大人に混じって、

お囃子や他のねぷたの引き手などを担当します。

そして、ねぷた団体を、ねぶた文化を担う手になっていくのです。

 

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中川俊一 執筆コラム

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